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院長挨拶

 2023年5月、3年間のコロナ期は規制が緩和され新たな時期に入りました。生活スタイルを変えて適応しようとした私たちはウイルスではありませんがまるでアミーバ的様相の持ち主に違いありません。これからも臨機応変に思考と感覚のバランスを保ちながら未知と遭遇していくことでしょう。

 さて、当院は岩手県北~青森県南県境の精神科医療を担う公立病院という立場です。特に岩手県北では精神科医療機関が少なく、入院可能な病院は当院と久慈市に1か所の計2か所です。高齢者率の高い当地域は高齢者の自殺率も高く、精神科医療機関の少なさだけではない、インフラも希薄で高齢者が日常生活を維持し難い幾つかの条件が重なっています。いずれの高齢者も孤独にあらずして自尊し自然に抗わず生活できる地域づくりに協働する医療機関で在りたいと思います。

 この20年間の傾向として当院の病床数、標榜科は徐々に減少し総合病院としてのバランスは変容して参りました。現在入院病棟は内科と精神科の2科のみとなりました。その他の科は外来のみとなり他の医療機関から応援を戴き診療を継続しております。このような地域の実情は言うまでもなく人々の社会活動が都市部に偏在している現れと理解します。内科常勤医不足の中、入院病床の維持が困難となった場合、弱体な高齢の人たちや認知症、高齢障がいの人たちをどこで誰が支えていくのか、私たち地域のみんながその方法を考えていくことが大切です。人任せではいられません。2科の入院はいずれも高齢者の割合が増え、医療と介護が、あるいはそれに福祉や障がいの領域が混合しているため医療の範疇を超えた対応が必要です。施設に入所できた人はよしとして、いつまで経っても入所できない人、自宅では療養できない人は結局入院対応となります。療養タイプの入院可能な病院は40分離れた隣町の病院のみです。介護施設不足、療養入院可能な民間医療機関はほぼゼロ。このような地域に立つ公的病院の役目として、介護と医療を合わせた保健を提供することは自然な流れだと考えます。

 さてそんな中、今年度から当院は地域人材の育成を目標に地域の高校と協働します。活動内容は院内体験学習や多職種出前ワークショップなどです。学生さんたちに地域で働き生活するイメージを持ってもらえたらそれは嬉しいことです。都市部への人流がメジャーだとしても、これから社会人になる若者にとって「地元で仕事をする生活は有り」と、まずは選択肢の中に入ることを期待したいです。令和4年度は全国的に地域おこし協力隊が最多で6,000名余りの人々が1~3年間その地域にミッションを持って生活したと報じられました。隊員は少なからず、かつてその地域で生活していた方々が含まれているそうです。「そういえば高校時代に一戸病院で実習したことあるな」、などといつか思い出してもらえるかもしれませんし。今後一戸病院がどのような役割で地域に存続するのか・・、近未来を地域の人たちと共に模索したいと考えています。

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